闇を抱え、心を閉ざし、ひとが欲する事をただ成し遂げる人形のような女ー紬は、南をおさめるその街の絶対王者の玲と出会い、変わっていく。
そんなものがたり。

壊れちゃいそうなぐらいか弱いお姫様は、みんなの人気者。


人々にとっては、そのお姫様が言う言葉が真実で、当たり前で。


だから、そのお姫様が傷ついたら傷つけた人を倍で傷つければいい、むしろ殺せばいい。


それが正義であり、当たり前の事だから。


ある日お姫様は傷つけられた。


傷つけた人は、人々に忌み嫌われた。


そして、傷つけた人を傷つけた。


でも、本当に傷つけた人は、悪いのだろうか。


本当に悪いのはどちらだろうか。


お姫様は、お城のてっぺんでその様子を笑いながら眺めていた。