下ばかり向いている少年、宙。下ばかり向いているのでみんなから無視されていく。宙はなぜ下を向いているのか
ずっと下ばかりを向いている少年がいた。
授業中も、食事中も、友達と遊ぶときも、
下を向いている。
そんな少年はいつも仲間はずれだった。
でも、町のはずれにある花火師のおじさんが
友達だった。
友達といっても、一緒に遊んだりはしない。
おじさんが花火をつくり、少年はそれを
眺めているだけ。
やがてそんな少年が上を向く瞬間がやってくる。