ーどこの族もくずだなぁ?
フードを被った性別も年齢も不詳の人間が、形の整った唇が口角を上げる。
「っ、紅月!!…や、やめろ、っ、く、来るなぁ!!!!!!」
コツコツと、フードを被った人間ー紅月が、腰の抜けた男どもに近寄る。
壁まで逃げ、しかしもう逃げ道のない男達の前にしゃがみこむ。
まるで、小さい子どもの目線に合わせてあげる優しい大人のよう。
でも、紅月の目はそんな優しい大人の目ではなく、狂気に満ちていた。
「お前らの族、クスリもやって、強姦して、クズな野郎の集まりだなぁ?それに、仲間を見捨てて逃げるなんて、もっとクズだよ」
そう言って、紅月は、残酷に笑う。
ー裏路地に男どもの絶叫が響き渡った。