先天性の視覚障害を抱えた少女が出会ったのは、同じ敷地内の聾学校に通う耳の聴こえない少年だった。まだスマホのない時代、今よりずっとコミュニケーションのツールが整わない環境の中、繊細で傷つきやすい十代の二人が、不確かで不器用ながらも大事にそっと心を通わせていく。