昔から見続けている夢がある。 



けれど起きると何の夢かも忘れてしまう。



それでも幾度となく見続けてしまうのは

自分の中の何かが叫んでいるから。



まるで何かを目覚めさせるかのように。



とめどなく流れる涙が『思い出して』と訴えるから。



痛む頭が『思い出して』と訴えるから。



いつだって頭を掠めるのは深い闇と淡い桜色とアカイアカイ血飛沫。



混ざり合ったそれらは眠りに付くたび荒い呼吸や涙と共に溢れ出す。



それはまるで一つの呪いのように、身体と心を蝕んでいく。



だから私は今日も同じ夢を見る。



何かに責め立てられる様に。



日常と化したこの日々を終わらすかのように…………。