purple ringer...Ⅲ【完】

作者まーちん

母の新しい人生の幸せを願って、家を出た美弥。美弥に迫る恐怖と、与えられた幸せな時間を、甘く語ったlovestory

“何で泣いてるの?”




“この時期に咲いたら、

いつまでも一人ぼっちだから。


でも、ひとりぼっちでも、

寒い夜の風に吹かれて散る花びらは、

一枚一枚冷たい心を

剥がしていってくれてるみたいだから。


花びらがなくなった頃、

何もなくなった体を

温かい光が差し込んでくれる。


寒い時期に咲く夜桜は

温かい道へ導いてくれるから。”