高校二年生の春。海沿いの田舎の高校に転校してきた彼方に一目惚れした栞。そんな栞をずっと思い続ける幼馴染の春樹。春樹も栞も大切な萌菜。四人の綺麗で切ない、青春。
作り物のように整った顔に、さらさらとした漆黒の髪。
その瞳はここじゃない、どこか遠くを見つめているようで。
そんな彼はいつも…ラベンダーの香りがした。