真っ直ぐに私の目を見る。
その目を私は見つめ返すしか術が無いのがまた辛い。
術が無い。わけじゃ無い。でもない方が良かったのかもしれない。
だって、
あなたを傷付けるぐらいなら傷付けられる方がまし。
だってあなたは気付いてないんだから。
あなたの目の前に立っているのが、
私だなんて、
思ってもいないんでしょうね。
あなたの前ではいい子の私で居たから。
髪も黒で、ピアスも隠して、傷も見せず、殻を被って演じてきた。
申し訳ない。酷い嘘。
でもね、あなたが悪いのよ?
嘘を信じたあなたが。
私は悪くないのよ?
だって私、好きじゃなかったもの。あなたのこと。
でも、なんでだろうね?
黒い異物が頬を伝う。
黒い黒いマスカラと心の黒が混ざってより一層漆黒の、真珠が落ちたのが分かった。
ごめんね、私、いい子じゃないのよ?
だからもう、私を捨てて。
辛いのは、嫌でしょ?
そうしたら、もぉ、思い残すことはないのに。
後悔なんてしたことなかったのに。
というより、しなくて済む選択をしてきたのだ。
無縁のはずの悔いが、心を蝕む。
嫌いよ。私。
こんなにも私の心を操るあなたが憎いわ。
終わりにしましょ。
the end
ピリオドがいるわね、いまここに。