ハル君【完】

作者

年々変わる、ハル君。呼びかけた時の反応も、声も、表情も、背丈も。いつの間にか、ハル君はこんなに大きくなったんだね。 少し年の差恋愛





「ハル君」


そう呼ぶとその子は初め、

私をちらりと見て、目が合うとばっと顔を背けた。



「ハル君」


そう呼ぶとその子は、

にっこりと笑ってこちらに駆け寄ってきた。



「ハル君」


そう呼ぶとその子は、

照れたように笑って手を振るようになった。



「ハル君」


そう呼ぶとその子は、

こちらをちらりと見て何かを言いたげに一度口を開き、何も言わないまま顔を逸らした。



「ハル君」


そう呼ぶとその子は、

その子は……



ハル君は、私の大好きな子だった。


キラキラと、いつでもその子は輝いている。