「ハル君」
そう呼ぶとその子は初め、
私をちらりと見て、目が合うとばっと顔を背けた。
「ハル君」
そう呼ぶとその子は、
にっこりと笑ってこちらに駆け寄ってきた。
「ハル君」
そう呼ぶとその子は、
照れたように笑って手を振るようになった。
「ハル君」
そう呼ぶとその子は、
こちらをちらりと見て何かを言いたげに一度口を開き、何も言わないまま顔を逸らした。
「ハル君」
そう呼ぶとその子は、
その子は……
ハル君は、私の大好きな子だった。
キラキラと、いつでもその子は輝いている。