龍に愛された龍姫様

作者ナーユ

ごめんね 愛してるよ ごめんね 君が好きです


ごめんね助けてあげられなくて


2年前のある夜

ーPM9:00ー


暗い暗い闇の中港にある廃工場の外階段で少年が一人座っていた。


少年の手には注射器、口には煙草をくわえていた。


少年はぼやける視界に目を細め美しい満月を見ていた。


「ふ~…綺麗だな。…まるで“アイツ”みたいだ。純粋で汚れを知らない…俺の最愛のアイツ…なんで、なんでこうなっちまったんだろうな」


少年の心は後悔で押し潰されそうだった。


プスッ


少年は自分の腕に注射器を射した。