麻井深雪
軽いタッチで楽しめる
ケータイ小説らしい娯楽作品です。
主人公は学校一の美少女で小悪魔モテ子という、なんとも共感を得にくいタイプの女の子ですが、それを上手く魅力的なキャラに仕上げています。
ラブハンターというテーマに沿って、冷たくされても猛アタックを繰り返す姫ちゃんはたくましく好感が持てます。
付け焼き刃のサッカーの知識を披露したり駄目な一面もありましたが、彼女は途中から外見を取り繕うことよりも、苦手なお菓子作りに徹夜したりと真の努力をし始める為、自然に彼女を応援する気持ちになっていました。
クールなくせに突き放し切らない先輩には、煮え切らない気持ちにもなりましたが、ラストまで読めば先輩は既に姫ちゃんに魅かれていたんだろうと納得できます。
テンポの早い展開でそこまで切ない気持ちにもならずに一気にハッピーエンドまで持って行ってくれます。
文字数も少なくサクサクと読めて、軽い気持ちで楽しめる、まさにケータイ小説らしい作品だと感じました。