1年間空き部屋だった隣の部屋についに人が越してきた。穏やかで礼儀正しく、気さくな彼は どうやら少しだけ不思議な生活を送っているようだ。
雪が降る日に、彼はやってきた。
「隣に越してきました、湯浅です。
どうぞ宜しくお願いします。」
「…こちらこそ宜しくお願いします」
(この男の人、何処かで見たことある…)
彼の話し方は、
いつだって見えない壁を作る。
寝言は寝てから
「‥‥教わりませんでしたか?男の部屋には、
簡単に入るものじゃないって」
のんびりした2人の、少しだけ刺激的な日々。