累以

感動をあなたに……
レビューを書きたい!
久しぶりに、そう思わせてくれた良作です。

互いに家族と認め合った唯生(ユイ)と子猫のリク。
1人と1匹が、信頼と愛と絆を育んで行く中で起きた悲しい出来事。
筆者の実体験から紡ぎ出された本作品は、終始優しさで溢れています。

文章の技巧面に目を向けるなら、多少の加筆修正をお願いしたいところですが、物語に影を差すほどのものではありません。
それほどに魅力のある作品です。
ただ物語に身を任せてください。
理屈抜きに楽しめます。

感受性の強い方、最近涙腺が緩くて……という方なら、1ページ目から涙ぐむことでしょう。
ハンカチではなくタオルが必要です。

哀しくて、切なくて、涙が止まらないのに、読後に得られる不思議な幸福感。
是非あなたもご体感下さい。
小説というよりは、大人も楽しめる童話。
自信を持ってお薦めします。