不器用で鈍感、恋愛初心者の菫と爽やか天然タラシ、日向先輩の甘酸っぱい物語。

肌を刺す冷たい風と、眩しい朝陽。

暖かそうなマフラーに顔を埋め、イヤホンからは私の好きな曲が漏れる。

無意識にメロディーを口ずさんでた私に気づいて、


『いい曲だよね。』


と先輩は優しく笑いかけた。

その瞬間、急に強い風が吹き抜け、静かになった頃...


私は生まれて初めて恋に落ちた。