心菜りず

心奪う、透明な青。
この作品を読むのは何度目でしょうか。ソーダ水。Ⅱを読み終えたのが昨晩で、一晩置いたら最初から読んでみたいと思い起こしたのも束の間、時間を忘れてあっという間に読み終えてしまいました。
まずは、登場人物が割と多い筈なのに、どのキャラクターも特徴がぶれないからか、全員が作品を染めているように感じました。周りがじれったいと感じる主要人物二人には、読み手の私までもじれったく感じたり。中々重ならない何人もの思いが切なかったり。はたまた、番外編の爽やかな甘さには心燻られたり。
そして、背景描写や文章の構成が絶妙。事細かく描写してはいないのに、脳内で鮮明に思い描けるのも、作者様の器量だと感服いたしました。
さて、これからソーダ水。Ⅱを読み返そうと思います。何度読んでも色褪せないこの作品に、乾杯。

――追伸。7本目。の最後の台詞。「おん、任せとき。」に一番心奪われました。