周りが暗い。ここはどこだろう。
お腹空いたな…。いい匂いがする。
魚の匂い。美味しそうだな。
今から食べさせてくれるのかな。
おかあさん。おかあさん。
私にご飯、作ってくれてるのかな。
カチャカチャって音がしてる。
もうご飯かな?たのしみだな。
テレビの音がする。
おかあさんの笑い声が聞こえる。
おかあさん楽しそう。
あ、明かりだ!少しずつ明るくなって、眩しい。
あ、おかあさんだ。優しい笑顔。すごく好き。
「ほら、ご飯よ」
そう言っておかあさんがおいたのは
魚の骨だった。
あ、そうだ。そうだった。
ここは押入れのなかだった。
少しホコリくさくて息苦しい。
でもおかあさんはこうしてご飯をくれる。
私は必死に魚の骨に食らいついた。