この話は戦乱の世での、愛を知らない忍びの少女と、彼女が愛しすぎる男の物語。





──この世は戦乱の時、力あるものこそ強者。



数々の戦いが起こされ、それぞれの土地で指導者が現る



小さな國と呼ばれるものがいくつも出来、



互いに同盟を結ぶ國もあれば、



如何に相手を潰すかと画策する國もある。



そんな中、國程の大きさはなくとも、



何処にも支配されず、少数の人間で生活する者達がいた。



その地は、常人では決して踏み入ることが出来ない、



四六時中、霧に包まれた場所。通称 ”夜霧”



その場所を知るものは誰もいないと言われた──