逢崎 奈零
キミと僕の間にだけ、生まれる色がある。
「上手く言えないけど、好き」
ほんの好奇心で覗いてみた美術室。茜色に染まる教室内には、真剣にキャンバスと向き合っている1人の男の子がいた――。
作品全体から伝わってくるお日様のような暖かさに、私自身の心も温められてしまいました。
また、ほのぼのとしているけれども、土台がブレずにしっかりとしており、とても気持ちよく読み進めることが出来ました。
この作品の見所は、なんと言っても丁寧な描写。
空の描写では、私たち読者が思わず脳内でその空の色を探し求めて浮かべてしまうくらい、綺麗に表現されていました。水色、オレンジ、菖蒲色等のバリエーションも素晴らしかったです。
人物の描写も、1つ1つの小さな表情の変化まで汲み取っており、感嘆せずにはいられませんでした。
1つ気になったことを挙げるとすると、起承転結の「転」が弱く、少し印象に残りにくいかな…、ということです。しかし、作者様の作風や作品が醸し出す雰囲気など、個人的にはとても好みです*
あわよくば、続編も読んでみたいな、と思いました!
素敵な作品をありがとうございました◎