佑紗

わたしはあなたがいないと寂しいのです
両親を亡くした孤独な女子高生・ひなたは、人気小説家である春の家に置いてもらう事になるが、2人の間には「お互いには干渉しない」という約束があって――


最初は守れると思っていたその約束のせいで、自分の想いを口に出来ない。

春に干渉したいのに、出来ない。

そんなひなたちゃんの想いがとても切なくて、読んでいる方まで胸が苦しくなりました。


ですが、後半は一気に雰囲気が変わって。

春くんが夜に出掛けていた理由も分かり、春くんがずっとひなたちゃんと同じ気持ちでいた事も分かり……本当によかったな、と思いました。


前半は切なく、後半は甘く。

切なさと甘さのバランスがとれていて、とても後味の良い作品でした。


個人的には棗さんが好きです。あの掴めないキャラが素敵だな、と思いますね。

棗さんの言葉を簡単に信じてしまうくらい純粋なひなたちゃんも、とても可愛かったです。


全体的に文章がまとまっていて読みやすかったですし、ひとつひとつの表現も綺麗で。

とても素敵な作品でした。


今後の作品にも期待しています。