私が誤って弛緩した人は、〇〇でした――――
9人の男と、1Kで10人暮らしとなって、部屋の広さを1番気にする女……どこかずれているが真実の恋愛物語
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シンガーソングライターを目指して、バイトばかりの刻彩ときいろ 瑞希みずき。
ある日、バイトの帰り道。なぜか、次の言動についての選択肢が目の前に出現。そうして、車両故障の影響で大混雑の電車に乗ることになってしまう。
あとからあとから乗る人に押され流され、気がつくと、背の高い綺麗な男がすぐ隣にいた。混雑している電車。もちろん密着度は満点。
しかも、視線がチラチラと合う。
だが、それは別の意味だった。自分が降りる駅の1つ手前で、男に無理やりホームへ下されてしまった瑞希。そうして、男からこう言われた。
「お前、俺のペ××こすって、ぼ××させて、何してくれちゃってんの? こういうの、痴漢って言うんだよね?」
砕けた口調な上に、18禁満載な男。だがしかし、バカみたいに口をパカーッと開けてしまうほど見惚ほれるようなイケメンなのだ。
もちろん、瑞希はわざと痴漢したのではない。だが、結果はそうなってしまった。その経緯と謝罪をしていると、男は今度、
「お前、鈍臭いね」
そう言ったと同時に、景色が急に変わり、男の家――高層マンションの最上階へと連れてこられていた。
男の独特の雰囲気に知らず知らずの内に引き込まれ、一緒に眠ることになってしまった瑞希。言葉で抵抗しようとしたが、
「お前、もう諦めて、俺におとなしく守られちゃいなよ」
という意味不明であり一方的な理由で、瑞希は言い返しというカウンターパンチをくらわしたくなったのである。だがしかし、そこは大人ということで、ぐっと堪えた。彼女は魔法でもかけられたように、すぐに眠くなり、そのまま意識を喪失。
そうして、瑞希が目を覚ますと、男はそばにおらず、あの駅のロータリーに座っていた時刻へと、時は巻き戻っていた――――
*この作品は、小説家になろう、エブリスタ、カクヨム、アルファポリスにも掲載されて