恋人との結婚が決まった大崎羅々は、幸せな毎日を過ごしていた。そんなある日、羅々の前に一人の男が現れる。彼は高校時代、羅々の初めてを奪った「千尋先輩」だった。


11月



千尋先輩には、近づいてはいけない。


名前を呼ばれても、振り向いてはいけない。



千尋先輩には、触れてはいけない。


触れられて、恋をしてはいけない。



千尋先輩は、私を抱いた。


制服のリボンと一緒に、踏み潰して。



砂糖



「羅々ちゃんが一番好きだよ」



千尋先輩には、私はいらない。


だけど私は、


あなたが欲しくて堪らない。