さよならの向こう側

作者愛蘭。

大切な人を失った。
こんなにも大好きなのに。

そんな別れから始まった新たな出逢い。
揺るぐはずの無かった私の心を揺らす優翔。

歯車は静かに狂い始めた。








私は大切な人を失った。






あなたを失って1ヶ月、一冊の本に出会った。




『死者の復活。人間一度は夢を見たであろうこと。それはもう今の科学技術では可能になっている。』









「なぁ。お前も会いたい人がいるのか?」


「え…?」


「俺、1年前に彼女亡くしたんだ。

ずっと会いたくて、ずっと考えてた。

俺と一緒に大切な人に会いに行かねぇか。」











あなたに会える。大好きなあなたに。

そう思ってた。













歯車が狂い始めているのも知らずに。











  



 


「ねぇ、会いに行ったって本当?彼女さんに」


「は?お前寝ぼけてんの?俺彼女なんていねぇよ」


「え…」


















「俺さ、お前が好きなんだよ。」








 




気づいた時にはもう遅かった。





あなたとの別れは残酷な現実との出逢いでした。