恋に恋するばかりで、好きな人も彼氏もできないまま高校三年生になってしまった。そんな知里流が突然の立ちくらみで目を覚ますと、五年時を遡ってしまっていた。





心にポッカリ穴が空いたみたいな、


でもその理由が全然思い出せない。


誰かに会いに行こうとしていたんじゃなかったっけ?




私の名前を愛しそう呼ぶその声が世界で一番大好きだった。


でもそれを呼んでくれたのは誰だったっけ?




絶対に忘れてはいけないことなのに、


全く思い出せないのは何故だろう。


涙がこんなに出るのは何故だろう。