男嫌いな王女様

作者えり

一匹狼な孤独な王女が、5人の男と出会う。闇を抱えきれないほど持っている王女に、救いの手は差し伸べられるのか。学校でもトップをはかる5人の暴走族男達とのお話です。

蝶のように舞い

気品高く佇む

夜の町に神出鬼没の王女様



今まで王女に会ったものは・・・


誰とも馴れ合わない

素顔は見せない

孤独な王女


そう、言う。



だけど、みんな口を揃えて言うんだ。



『王女様に救われた。』



王女様が狙うのは無駄な喧嘩をして

自分自身を傷つけている人たち。

それと、無闇に他人を殴り付けている愚かな者たち。


王女様は決して人を傷つけない。

喧嘩をするのは人を守るため。

そうして日夜何千にんもの不良を闇から救ってきた。


救われた不良たちのモットーは



『守るもののために喧嘩をする。』



不良のなかでたくさんの人に信頼を寄せられている王女様。

仲間にしたいという族も少なくはない。


だけど王女は仲間を作らず一人孤独に生きる。


『私に仲間なんて要らない。』


『私にあるのは漆黒の闇だけ。光なんてない。』



そんな王女の前に5人の男が姿を現す。


「お前はもう一人じゃない。」


「覚悟してください。一人になんかさせませんよ?」


「てめぇは俺らの前でただ黙って笑ってりゃあいいんだよ!」


「君みたいな子、俺結構好きよ~?付き合っちゃおうか。そしたら一人になんかなんないし?」


「僕らを信じて。」



蝶のように舞い、気品高く佇む王女様。



王女様の目は漆黒の闇に飲み込まれている。



そんな王女を5人の男は救い出せるのか。



『・・・っふ、上等ね。』



さあ、一匹狼孤独な王女様と個性豊かな5人の男と愉快な仲間たちとのゲームの始まりだ。