社会からの否定、父の自殺未遂。生きることに疲れてしまった聖夜。そんな聖夜が出会ったのは、誰よりも生きたいと願う鈴花。運命は残酷、そして……
君と出会ったのは、まだ寒さが残る春の始まりだった。
社会に否定され、誰も信じることができなかったあの頃。
『生まれ変わったら、私は猫になりたい』
君はいつもどこか遠くを見据えていた。
だから僕は気付くことができなかった。
『生きたいよ、死にたくない……』
人間は、いつか必ず死ぬ。
それは、決して逃れることができない運命。
これは、命の尊さを教えてくれた、僕の最愛の人への手紙。