真っ青な気持ちのいい春。
私、西野美希はショッピングモールの屋上に立っている。
そこから見える景色は駐車場や歩いている家族連れ、そして私の足元には花束がたくさん置いてある。
この花は、二つ上の先輩久保洋介のものだろう。
一週間前、久保洋介はここから飛び降りた。
私は、高校に入り中学でもしていたバスケ部に入ることにした。
一年生ということもあり、準備から片付けなど忙しい日々を送っていた。
期末テストを終え夏休みに入るが、部活で遊びにも中々行けなく毎日疲れ果てていたが、充実していた。
夏休みに男女合同の合宿練習が行われることになった。
朝から練習詰めで、夜には教室でミーティングが行われた。
その時、たまたま隣に座っていたのが久保洋介だった。
洋介は隣にいた私にこっそり話しかけてきた。
「ねぇねぇ、ちょっと抜け出さない。」