NAO

あれは確かに大恋愛だった
誰かを盲目的に愛し、その恋愛に溺れ、そしてそれが自分の意思とは反して壊れてしまった経験がある人には、是非読んでいただきたい作品です。
主人公ヒヨリは憧れだったケイと付き合えたことで、どんどん彼にはまっていく。学校にも行かず、母子家庭の彼の家に入り浸り彼の母親と彼の帰りを待ち、病弱な彼の弟の世話をし、ヒヨリの全てがケイに染まっていきます。まるで自分もケイの家族になったような幸せな錯覚の中、突然消えたケイ。
狂いたいけど狂えなかった。
ヒヨリの反応も葛藤もとてもリアルで、狂った振りをし続けることで、彼との愛を証明し続けた姿は、ただ健気なほどの自虐。
あんなに愛した人を失って、何故私は生きていられるのか。
その愛が大きければ大きいほど、現実と希望とのギャップに苦しむ。
苦しみながらも、生きている。でも辛い。
忘れたい。忘れたくない。そんなヒヨリを葛藤から救い出してくれた人が、とうとう現れてしまう。そしていなくなったケイが戻ってくる。
二人の間で揺れるヒヨリの選択は、彼女の強さと優しさに溢れていたと思いました。
おすすめです!