作品コメント
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- 篠月 友穂佳
切ない
初めはちょっとどろどろ感がありましたが、読み進めていくと深い愛や綺麗な愛に夢中になりました
読み終わった今は、なんだかやりきれない気持ちと(ケイも好きなので)、幸せになってよかったという気持ちが半々(笑)
とにかく引き込まれました! - 栗栖ひよ子
沁みこむような、切なさ
初めてこの作品を読んだ時は、衝撃を受けました。
淡々と、ゆるゆると進んでいくような文章なのに、切なさがいつの間にか沁みてきていて、心がつめたくなって……。
やさしい罠のような作品だな、と思いました。
気付いた時にはもう、つめたい水が肺の中まで充満していて、苦しくて、痛いです。
無気力に、退廃的に生きているように見える主人公・ヒヨリ。
回想を挟みながら物語が進んで行くので、彼女の過去に何があったのか、期待と不安が入り交じったような気持ちで読み進めてしまいます。
先生と出会うことによって、ヒヨリの歪みや痛みが、だんだんと浮き彫りになってゆき、回想も核心に近付きます。
ヒヨリにも、先生にも、ケイ先輩にも、恋愛観で言ったら、なかなか完全に共感はできないかもしれません。
でも、どこか、人間として、「理解はできてしまう」部分があります。
その危うさが、バランスが、三人の人間的魅力を作り出しているのかもしれません。
哀を越えて、愛になるような結末は、最後に人の持つ強さを感じられて、とても感動しました。 - ageha
ジレンマ
理想と現実の狭間で、彼女は一体、何を見てきたのか。
理想の自分、本来ならこうあるべきなのだと自身を偽り続ける主人公の気持ちはきっと彼女にしか分からないでしょう。
自分の愛を伝えようと、相手に寄り添えば寄り添うほど、その愛が重くのしかかってしまい。
結果、気付いた時には、もう取り返しのつかなくなってしまった辛い過去。
それを想像するのは簡単ですが、実際はその想像など遥かに越えてしまう苦難や葛藤が渦巻いているように感じました。
同じ女性として、共感出来る部分もあれば、共感出来ない部分もありましたが、それもまた恋愛の在り方なのかもしれません。
序盤から中盤にかけて主人公のヒヨリをはじめ、ケイやケイの家族の、人としての"弱さ"が滲み出ている分、終盤での"弱さ"を乗り越えた"強さ"に胸が締め付けられました。 - 伊東ミヤコ
切ない、苦しい、だけど……
恋に恋する。
恋は盲目。
回想部分のヒヨリからは、そんな言葉が思い浮かんだ。
憧れの先輩、共に苦労する喜び……。
でも、そんな気持ちだけでは、いつか破綻する。
かつてずっと好きだった人、今の自分を見てくれる人。
どちらか一人なんて、選べるだろうか?
あまりに辛く、苦しい選択。
それでも、決めるのは自分自身しかいない。
そして、それを乗り越えたときこそ、真の自分が見えてくる。
あまりに切ない展開が続いた中、ラストで見える光に、きっと誰もの胸が締めつけられる。
読んでよかった!
最後は、必ずそう思えるはず。 - やなぎみお
あいしてるの意味
幼さゆえにのめり込むように、ケイ先輩を愛してしまうヒヨリ
大好きで大切だったケイ先輩を追い詰めるかのように依存し、そして
ある日突然訪れる、ケイ先輩との別れ
そして…
ヒヨリの苦しい心情に、胸がいたくなる一方で、仁に出会い、少しずつ自分らしさを取り戻していく様に心がホッとしました
ラスト、ヒヨリの選んだ道はとても勇気がいる反面とても素直な選択だと感じました
切なく、苦しい3年という時間があったからこそ、大切なものを見つける事ができたんだと思える作品でした - きたみ まゆ
痛く、辛い、恋愛
痛いほどまっすぐな想い
息が詰まるほどの切なさ
読んでいると心を揺さぶられるような感覚に胸が苦しくなりました。
最愛の人を追い詰めてしまった絶望と
彼について行かなかった罪悪感と
それでも待ち続けなくてはならないという義務感
そんな過去に囚われた生活の中で出会った『先生』……
静かで綺麗な文章で綴られた
激しく苦しい感情にひきずられるように読みました。
本当におすすめの小説です - NAO
あれは確かに大恋愛だった
誰かを盲目的に愛し、その恋愛に溺れ、そしてそれが自分の意思とは反して壊れてしまった経験がある人には、是非読んでいただきたい作品です。
主人公ヒヨリは憧れだったケイと付き合えたことで、どんどん彼にはまっていく。学校にも行かず、母子家庭の彼の家に入り浸り彼の母親と彼の帰りを待ち、病弱な彼の弟の世話をし、ヒヨリの全てがケイに染まっていきます。まるで自分もケイの家族になったような幸せな錯覚の中、突然消えたケイ。
狂いたいけど狂えなかった。
ヒヨリの反応も葛藤もとてもリアルで、狂った振りをし続けることで、彼との愛を証明し続けた姿は、ただ健気なほどの自虐。
あんなに愛した人を失って、何故私は生きていられるのか。
その愛が大きければ大きいほど、現実と希望とのギャップに苦しむ。
苦しみながらも、生きている。でも辛い。
忘れたい。忘れたくない。そんなヒヨリを葛藤から救い出してくれた人が、とうとう現れてしまう。そしていなくなったケイが戻ってくる。
二人の間で揺れるヒヨリの選択は、彼女の強さと優しさに溢れていたと思いました。
おすすめです! - きょうこ
ものすごく面白いです!
想像以上のクオリティでした。
読みやすく美しい文章で
もっと沢山の人に読んでいただきたい
作品だと思います。
真剣に愛したからこそ起こってしまった悲劇
今も癒えない傷を抱える主人公ヒヨリに
偶然訪れた再会。
一見素っ気無く見える『先生』の
必要以上近づかない優しさに
少しずつ、ヒヨリは変わっていけるような気がします。
続きがとても楽しみです。