雪風

笑った顔が見たい
天然お馬鹿少女の珠子ちゃんは、ある日偶然耳にした放送から、卓球部と羽鳥颯太くんに興味を持つ事に。

無愛想で無表情の颯太くんを笑わせようと、好奇心や悪戯心から始まった二人の勝負。

珠子ちゃんは、十年ぶりに颯太くんを笑わせる事が出来るのか?


あの手この手で颯太くんを笑わせようと奮闘する、珠子ちゃんのキャラが好きです。

テンポがよく、珠子ちゃんの行動に笑いながら読み進めていくと……。

物語は、卓球部が廃部してしまうかもしれない、という意外な展開に。

颯太くんは卓球が好きで、彼の表情を変える事の出来るものを、颯太くんが失ってしまう。

颯太くんは笑えなくなってしまうのだろう。

『颯太くんに笑ってほしいのに』

その珠子ちゃんの感情は、好奇心ではなく、勝負だけのせいでもなく、ただ颯太くんを思っての気持ち。

珠子ちゃんが颯太くんという人を『見る』ようになって、少しずつ惹かれてゆく様子がとても伝わってきます。

卓球が好き、という気持ちが作品全体を通して心地よく響きます。

読後は元気に、そして笑顔になれる素敵な作品です。