ドン ドン ドン
心臓の奥に響くリズム
キャャャャャ~
ウォォォォォ~
歓声がこのステージ、客席を包んだ
そっと目を開けた
そこには―――
サングラスに金髪、
赤いキラキラしたTシャツ
ダメージジーンズ
首にも腰にもゴールドやシルバーのアクセをジャラジャラまとっている
幼い顔の奥に潜む
大人の男
カレはマイクを口元につけ
ニコッ
笑顔を見せ客席に向け
「Piece」
と言った
その瞬間―――
客席、ステージ、全てのライトがつきステージが始まった
私は、恋に落ちた
のかもしれない
胸がギュッと締め付けられ、カレを見るとドキドキする
ステージで歌い
ステージで踊り
会場を沸かせる
――――――汗でさえ
キラキラして見える
「雲の上の存在」だろうカレに
手の届かない王子様に
恋をしたんだ
真剣な顔
笑った顔
照れたような顔
その1つ1つに―――