雨宮未来

たくさんの人に読んでほしい、大好きな一作。
人を惹きつける存在感を持つ、不良新入生“ライガ”と、
誰の目にも留まらず生きる、真面目な女子高生“凛子”。

混じり合うはずのないふたりは、ひょんなことから知り合いになり、
そこから始まるふたりの恋は、胸が締め付けられるほどに、甘く切ない。


このお話には、主に二つのギャップがある。

まず、タイトルとジャンルのギャップ。
まさか不良モノと思わず、確認のため二度見してしまったほど。
けれど読めば読むほどぴたりと来るタイトルで、不思議とお話に当てはまっている。

それからジャンルと中身のギャップ。
不良小説といえば、男くさい物語を連想するが、内容は実に繊細な恋物語。
だからか、バイオレンスが得意でない私も抵抗なく読むことができた。


特筆すべきは作者様の文章力。
とにかく読んでいて気持ちが良いほど、語彙が豊富で、表現が的確かつ丁寧。


読めば必ず“ライガ”の可愛らしくも男らしい様に魅了され、
“凛子”の一途でいじらしい恋から目が離せなくなると思う。

心から、たくさんの方に読んでほしい、大好きな一作。