作品コメント
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- 雨宮未来
たくさんの人に読んでほしい、大好きな一作。
人を惹きつける存在感を持つ、不良新入生“ライガ”と、
誰の目にも留まらず生きる、真面目な女子高生“凛子”。
混じり合うはずのないふたりは、ひょんなことから知り合いになり、
そこから始まるふたりの恋は、胸が締め付けられるほどに、甘く切ない。
このお話には、主に二つのギャップがある。
まず、タイトルとジャンルのギャップ。
まさか不良モノと思わず、確認のため二度見してしまったほど。
けれど読めば読むほどぴたりと来るタイトルで、不思議とお話に当てはまっている。
それからジャンルと中身のギャップ。
不良小説といえば、男くさい物語を連想するが、内容は実に繊細な恋物語。
だからか、バイオレンスが得意でない私も抵抗なく読むことができた。
特筆すべきは作者様の文章力。
とにかく読んでいて気持ちが良いほど、語彙が豊富で、表現が的確かつ丁寧。
読めば必ず“ライガ”の可愛らしくも男らしい様に魅了され、
“凛子”の一途でいじらしい恋から目が離せなくなると思う。
心から、たくさんの方に読んでほしい、大好きな一作。 - 真冬
暴走族同士の紛争がリアル感溢れた
入学式に、暴走族の集団がライガと言う男子生徒の名前を呼びながら乱入。
その危機を身軽にくり抜けたライガは、全校生徒の注目の的になり……
ありふれた暴走族物とは一味も二味も違う臨場感が、大変良かったと思います。
まるで映像を見ているかのような、畳みかける表現がさすがだと思いました。
ただ、ダラダラ書き綴る場面の見えない
小説が多々ある中、細部まで練りこまれた感が、やはり、アクション作家様だと唸りました。
あまい雰囲気の題名に騙されるな……
超、おすすめです。 - 芙佳
切〉甘
表紙キーワードに「切〉甘」とありました。読んで納得。切
ない割合が多めの、焦れ焦れ純愛ストーリー。
切ない設定が、あまりないパターンなとこが良いと思いまし
た。片想いでウジウジしてる話は多々あれど。
序盤からすんなり相思相愛で、お互いの気持ちも確認済み。
なのに、彼には訳ありな彼女がいて……
訳ありって何じゃい。
このモヤモヤにずっと悩まされました。ライガの抱える問題
とは何か、それをどうやって解消して、晴れて二人は付き合
えるのか?
謎にモヤモヤしながらも、ライガの可愛い悪ガキっぷりに、
乙女心をもってかれること請け合いです。
私はもう乙女じゃないせいか、母のようなまなざしで見れま
したが。笑
会話やエピや人間像に、リアリティーを感じられるようにと
丁寧に作りこまれている印象を受けました。 - 恵沢りょう
甘い囁きはpianissimo.
地味系先輩女子と不良系の後輩男子の恋のお話。ただの不良系の小説と思ったのならば大間違いです。
まずはヒーロー、ライガの登場シーンが印象的。彼が体育館でふわりと舞う姿は、その場にいた生徒たちだけでなく、読者も魅了してやまないでしょう。
入学早々ひときわ目立ったライガと、ひょんなことから知り合った凜子。
互いに惹かれあうが、ライガには彼女がいる。しかし、それには深い理由があり―――。
ライガの過去の謎に戸惑いながら、それでも一心に彼を思い続ける凜子。
ライガの過去には一体何が。そして突然姿を消したライガはどうしているのか。
だんだんと読み進めていくにつれて明かされる謎。
さすが作者様。カッコいいのに、完璧すぎない人間味溢れるライガに惹かれてやまないのです。
甘い囁きはpianissimo.その言葉がぴったりの切なくもあり、甘くもある、そんな2人の恋の物語。