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残り少ない命の灯ほんの些細な理由で、また、咲のように理由もなく自ら命を絶つ人が増えているそんな世の中。線路に身を投げようとしたその時、稜と出会った――それは運命としか言いようがありません。咲が稜に惹かれる気持ちも当然だと思います。映画の後勇気を振り絞って稜に告白した咲ですが、失恋してしまいました。稜も咲を好きだと思っていたので、なんで!?どうして!?と不思議で堪りませんでした。生きる喜びを教えてくれた、そして咲にとって最も大きな存在。そんな稜に振られた咲の悲しみは計り知れません。二度目の自殺を試みようとした矢先、稜のお母さんから電話があり、稜が死んだことを告げられた時、今までの稜の言動すべてが繋がり、心が震えました。咲宛に残された手紙、それによって明らかになった真実―お互い愛し合っていたのに、運命とは神様とはなんて残酷なのでしょう。こんなにも悲しい結末だけれど、胸に残る温かさがあります。稜の残した言葉、命の輝きは、咲だけでなく私にもその他の読者にも届いているはずです。命の尊さ、儚さ、大切さを身にしみて感じた作品でした。