神水紋奈
あふるる想いが綴られたもの
読み始めたとき、これは小説ではないなと思いました。
一人称にしても、違和感があったのです。
しかし、最後の章を読んだ瞬間、納得しました。
これは、溢れる想いが綴られた「手紙」だったのですね。
文体でそれを表現できているので素晴らしいと思います。
そして、花言葉など勉強なさっている姿に好感を覚えまし
た。
物語についてですが、欲を言えば、二人には生きてほしかっ
た。
彼は、彼女の強さを見くびっていたように思います。彼女
は、彼の弱さも受け止めていたのに。
本当に、切ない。
二人で補うように、生きれば良かった。
でも純粋すぎたから生きられなかった二人。
こんな純粋な人達が、生きられるような世界になってくれれ
ばいいのにと、切に願います。
不思議で、歪んでいて、それでいて純粋で。
温かいお話をありがとうございました。