NAO

深い愛情
秋月の章からは、涙が止まりませんでした。

『せーの』で言葉を合わせようとしていたのに、重なる言葉は、もうない。

けれど、一年前からこれを用意していたアキの、ハルへの深い愛を感じました。

あんな形で、この世を去るなんて、アキにとってはとても無念だったでしょう。けれど、ハルの30歳の誕生日にアキの想いが伝わってよかったと思います。


このお話は、登場人物の深い愛で溢れていて、胸が痛くなりました。


まず、おかんの、ハルへの深い愛。
アキがいなくなってどん底に落ちたハルを一番近くで支えてきた、母親の愛。

そして、ハルのお腹の子供への愛。
この命を守ろうと立ち上がった母親の自覚。

もう一人のナツキへの愛。
自分とどこか似ていて苦しみから逃れたいと葛藤するナツキを助けたいと思う友情。


最後に、アキへの、生涯変わらぬ、愛。


アキの名前が呼ぶことができたハルの未来は、これからはずっと明るいと信じています。