「じゃあ、またね。」…恋の魔法をかけられた僕はいつまでも堂々巡りです。あの日、風に攫われた薄紅色の花弁みたいに、この想いも奪い去ってほしいのに…。《春恋物語》
舞い降りて来た桜の花弁を
地面に辿り着く前に掴めたなら、
好きな人と両想いになれるのよ。
風が拐った薄紅を探して、幾度もさまよい歩く。
でも、いつだって辿り着くのは同じ場所で。
これはきっと、
彼女がかけた魔法のせいだ。
どうやってこの恋、終わらせよう。
幼馴染みのお姫様。
その正体は僕を悩ませる魔女でした。