私の好きな人

作者kuro

私は自分が思った以上に一目惚れしやすかった。

例えば相手が意識してないのに頭をポンポンされるだけで顔から湯気が出そうなくらい胸の高鳴りと共に体温が上がっていく。

例えば意識してない相手から急に電話が来て、声が聞きたかった。少し喋りたかった。なーんて聞いたらもう自分の胸の高鳴りを抑えられなくなってしまう。

でも…一目惚れしやすいって自分でも分かっていたけど、もう一つあった。自分が熱しやすくて冷めやすい事。一目惚れすることはとても早かった。それと同時に冷めるスピードもかなり早かった。片思いはずっと好きでいられるけど、その思いが実った途端…急激に冷めていく。まるで、ぬるいお水に氷を入れたコップのように。

そんな私にもちゃんとした恋ができるのかと不安だった。自分から告白したのにも関わらず、結局は自分が冷めたからといって自分から振る。これが私のスタイルだった。


けど、あの日私は出会ってしまった。

胸が高鳴り体温が上がり…目がそらせなくなってしまったあの人に。高校生の私が初めて悩んで切なくなって…でもやっぱり好きだと思えたあの人にーーーーーー。

私の片思いはここから始まった。