夜の月は輝くSS_
Ⅰ
昔々あるところに
美しい二人の姫がいました
一人は白雪姫と呼ばれ
一人は黒雪姫と呼ばれています
「私は誰からも愛されるお姫様なの」
「あんたにも、白龍にも、興味ないから」
「あははっ、酷い冗談だよ〜。………………ほんと、うざい」
みんなから愛されるのは白雪姫
みんなから嫌われるのは黒雪姫
いつしかそう成り立っていました
ですが嫌われ者の黒雪姫にも
愛してくれる者はいるのです
黒雪姫はそれに気づけるのでしょうか
「鏡よ鏡。この世で一番美しいのはだあれ?」
「それは─────」