ネットの世界で強烈な音を放つバンド“Ｓ”。欠落した何かを埋める為にギリギリまで洗練された奇跡が突出した音。その何かを知る為に私はＳに接近する。恋と音楽の物語。
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ねぇ、色付きのセロファンで世界を透かして見たことある？
赤いのだとなんか息苦しくて
ブルーだと寒々しててどこか物悲しい
黄色やオレンジ色はなぜかとても切なくなる
たった「今」が一瞬で「過去」になったみたいで・・・
“たった今”なのになんか、遠くて、なつかしくて、切なく見えるんだよね・・・
１７歳。
アクセルを限界まで踏み込んだ車の中でセピア色のサングラスをかけてる気分
「今」が凄い勢いで後方に遠ざかっていく・・・
あたしは、睨みつける
何もかも見逃さないように
二度と来ない「今」を
バックミラーに閉じ込められたセピア色の「今」を
人を好きになるという気持ちと自分の居場所を探し続ける不安を正直に描いてみたくてこの小説を書きました。
是非、最後まで読んで下さい。