私が君を嫌う理由

作者春鹿さよ

嫌いな理由はしこたま、ある。
それでも好きなんです。




(もう、いっそ泣いてしまえばいいのに。)




「 階段から突き落としてやってもいいけど? 」

少し(否、かなり)サディスティックな要素あるし、


「 口塞がれたいの?何なの?馬鹿なの? 」

自分が少し頭いいからって他人のことをとことん馬鹿にするし、


「 俺のもん食っただろ、今すぐ腹のもん全て吐け!」

デリカシーない上に食い意地張ってて五月蝿いし、


「 ……俺、弱くないし。何言ってんの? 」

そんなこと言ってるくせに、泣きそうな顔してる。




もう、泣いてしまえばいいのに。

泣いて、泣きつかれて、眠ってしまえばいい。


そして次に目を開くときには、何もかもを忘れて馬鹿みたいに笑っててよ。



そしたら私は言うよ、




「 私が君を嫌う理由 」




ほらね、あいつにいいところなんて一つもないでしょ?