時計のない白い部屋には、艶やかな黒猫と寂しがり屋で中性的な作家、そして、愛がありました。
そこには、
しなやかな黒猫がいる。
ふわり、とただよう珈琲の香り。
散らばった書きかけの原稿用紙、
インク、万年筆。
起動されっぱなしのPC。
窓から見える雲を描いた絵画を
切り取ったような蒼い、空。
風通しが良くて
スタイリッシュなマンション。
飾り気のない白い部屋。
時計は、ない。
そのには 白くて 細くて 綺麗な
作家がいる。
気まぐれな彼と、私の
他愛もない話。