NOEL
淡々とした、三角、四角関係の恋
出会いはごく平凡で、学校の靴箱で見かけた後に、廊下でぶつかる、という王道だったのに
何故か独特な世界観を放つ、淡々とした恋物語に、あっと言う間に飲み込まれていきました。
全体的なストーリーの背景には常に「星」があり、それがストーリーを落ち着かせているのだと思います。
「星」といえば夜。夜といえば静か……。そんな連想が、物語を造り上げ、淡々とした世界を造り上げていました。
また互いに名前をつけあう事は、一風変わった出来事であり、楽しい発想だと思いました。
そして、矢野の本名が瀬戸に知られる事により、2人の世界が壊れたという、寂しさと切なさを感じました。
また、2人の突拍子のない不思議な会話が、よりストーリーを際立たせ謎めいたシリアスな印象を受けました。
簡単にいえば三角関係、四角関係の恋物語なのに、なぜか奥深く感じるストーリー。
私がこの作品を気に入ったのは、キャラの感情が綺麗事じゃなかったこと。
小説やマンガでは、簡単に「運命」というけれど、この作品では「偶然」と言った。ソレが、他の作品と違う、と思わせる、印象的な部分でした。