無気力素直ガール憂と無愛想天邪鬼ボーイ彰大の長くて短い三年間のお話。
夕暮れに染まる校舎。
肩を並べて隣を歩く彼は今日も不機嫌。
「ねぇ、どうして素直にならないの」
彼は諦めにも似た侮蔑の視線で私を突き刺す。全く、まだまだ先長いのにもったいない。
「関係ないだろ」
そう吐き捨てると彼は早足に立ち去る。小さくなっていく後ろ姿に私は手を伸ばす。
勿論、届くはずはなく。
ふわり、と風が髪を揺らす。
「素直になってよ」
夕焼けに溶ける私の影。頬を伝う生暖かい液体が地面に黒い染みを作っていた。