金木犀の咲く頃に

作者セツナ

一本の大きな金木犀の木が結びつけた一つの恋は、その美しい花のように純粋に、儚く咲き誇る。短い短い初恋の物語。

ふんわりと

甘い香りを漂わす


その花は


小さくも

その香りで人々を魅了し、


命が短くも

懸命にその人生を生きようとする。


その姿は

どこか力強く


どこか可愛らしく


大輪のバラに負けないだけの美しさがある。


懸命に咲き誇る

その意志は


死してなお


大地に舞い降りるのだ。