あるところに、小さな小さな星がありました。
星には小さな王子様が一人住んでおり、小さなバラの花が一輪咲いていました。
王子様はバラの花をとても大切にしていて、毎朝、話しかけながら、水をやっていました。
『今日も可愛いね』
『笑顔が素敵だよ』
『赤がよく似合うね』
バラは水をやっている間は、ニコニコしているのですが、水をやり終わり、王子様がどこかに行ってしまうと、少し機嫌が悪くなるのでした。
ある朝、王子様が寝坊をしてしまいました。
『しまった!早くバラに水をあげないと!』
王子様が慌ててバラを見に行きましたが、いつも咲いている場所にはいませんでした。
バラが咲いていた場所にはぽっかりと大きな穴が開いていました。