貴史は広島の地で、会社でも家庭でも順風満帆の生活を送っていた。しかし、会社で起こったトラブルに巻き込まれ左遷、東京に単身赴任する事に。それが元で家族との関係がもろくも崩れ去る。
全てに自暴自棄となって赴いた横浜の街で、貴史はスナックに勤める一人の女性、美佐子と出会った。不思議な魅力を持つ美佐子に溺れ、貴史は家族を捨て、彼女との純愛に走る決意をする。やがて、明るい表情の裏に隠されていた美佐子の暗い過去が徐々に姿を顕す。二人はそれぞれの過去を引きずり傷つきながらも、その純愛を貫こうとする。
そんな時、貴史に広島転勤の辞令が下りる。愛する貴史への究極の嘘とも知らず、美佐子に裏切られ傷ついた貴史は再び広島に戻る。しかし、降り立った空港のロビーには、いるはずのない家族の姿があった。
当たり前の「日常」につまずいた時、初めて人は「愛する」とは、「本当の幸せ」とは、「家族」とは、何であるかに気づく。