大嫌い、バイバイ

作者菜穂

大嫌い

「大嫌い」



そう言ったはずの君の後ろ姿は、震えていて



「バイバイ」



そう言ったはずの君の足は、去ろうとしなかった






そんな君を、私は気付かないふりをして、



「(愛してる、)バイバイ」




出そうになる想いを押し殺して君より最初に君のもとを去った