海外の持つ何とも不思議な世界観が好きな私が書いてみた、おもちゃ箱の隅っこに残ったような童話です。拙い文章ですが、ほんわかとした雰囲気が伝わればいいなと思います。

だって、仕方なかったんだ。

 こうしないと僕の口は、正確に言うと僕のクチビルは、動くのを止めたりしないんだから。

 今、僕の目の前にはずっと前から好きだった女の子がいる。名前はキャロルだ。彼女は口元を押さえて、真っ赤な顔をしている。こんな事になったのは、全部アイツのせいだ。

 え、誰かって?

 そうだな、君にアイツの説明をするのには、きっかり一週間前のことから話さなきゃならない。こんな人生最大の困った状況を作り出したのは、ある店が原因なんだ。