『妖怪は人間を喰らう』
赤い月に浮かぶ黒い影―――
『ばぁーか 俺は人間なんか食わねーよ………
塚 お前なんか喰ったら腹壊すだろぅなぁ……
だけど 俺はお前の全てが知りたい 凛…………』
青白い手は冷ややかに凛の頬を滑る。
『妖怪が………』
月が照らす 初夏の始まり陰陽師は一時のうつつに浸る。