幸彦
良作SF(辛口)
未来と現代が交錯する良作品。世界政府樹立を、人類の栄養補給機関から始めた発想が斬新。
その前段階として、天才科学者二人を登場させ、動物が蛋白質を摂取出来なくなるというウィルスの発明を持ってくる。更には解決策として時空を越えて蛋白質を入手するためのタイムスリップ理論まで登場。
そこに現代に生きる主人公達が巻き込まれていく…。
基幹となるアイデア、タイムスリップの理論、科学的整合性(実在しないものの整合性というのも変だが)、二重三重の罠、登場人物達の時空を越えた相関関係、現代と未来を結ぶメッセージの送受信方法。どれをとっても、かなりの名作に成り得た素晴らしい発想。
惜しい!読み終えた後の感想がこれ。
もっと細部が作り込まれ、時系列表示を解りやすくし、文章に切迫感緊張感スピード感を持たせれば、或いは、目の肥えたハードSFファンを唸らせる名作になったでしょう。